マイクロ(micro)SDカードは、3種類のメモリカード(SD、miniSD、microSD)のうちで最も小型であり、デジタルカメラ等の記憶媒体として多用されており、現在主流になっている記憶メディアです。
マイクロSDカードは、USBメモリと同様に最近非常に安価になり、気軽に取り扱う機会が増えました。
従って、マイクロSDカードを衣類と共に洗濯する危険性は高まっていると言えます。
本稿では、マイクロSDカードを洗濯してしまった場合(水没時)の対応について、読者の皆様と情報を共有したいと思います。
マイクロSDカードの構造
構造は、メモリ、ドライバ、コントローラ等から構成され、それらが一体化・チップ化されて全体を樹脂で覆ったものになっています。
マイクロSDカードは、水の侵入に対する保護等級としてIPX7(防水)を謳い文句にして販売されているものが多いです。
IPX7は、防水性の国際規格に準拠するように規格化されたJIS規格のIPコード(表)のうちの1つです。
旧表現で言えば「耐浸型」に相当します。
IPX7の試験方法は、基本的に水面下1mの位置に30分間浸けて防水性能をチェックするものです。
マイクロSDカードの製造メーカーは、信用や賠償等の観点から、この試験を軽くクリアする商品を市場に投入していることが予想されます。
これから判断して、程度にもよりますが、マイクロSDカードを家庭内で洗濯してしまってもその損傷は、軽微ないし殆ど無いと思われます。
また、防水(IPX7)を謳い文句にしていない商品も、家庭内での洗濯レベルの浸漬では、支障が無いことが期待できそうです。
要するに、マイクロSDカードは、水に強いと言えそうです。
洗濯機からの取り出し時にやってはいけないこと
マイクロSDカードが水に強いと言っても、乾かさずに、パソコン、カメラ、携帯機器等に挿入(接続)することは、絶対に止めましょう。
乾いていないうちにマイクロSDカードを挿入した場合、相手方の電子機器を損傷させる危険性があります。
場合によっては、マイクロSDカード内の電子回路がショート(電気的短絡)して、内部に記憶されたデータが破壊される危険性もあります。
トラブル時に、急いで中身を確認したい気持ちはよーく分かりますが、ここはグッとこらえましょう。
洗濯機からの取り出し時にやること
マイクロSDカードの表面に付着した水を取り除きます。
特に、接点(8つの金色の金属部分)あたりの水分はきれいに除去しましょう。
水以外の液体(例えば、洗剤)が付着している場合は、清浄な水でサッと洗い流しましよう。
水を取り除く際、毛羽立たない軟らかい布やキッチンペーパーなどを使います。
その際、マイクロSDカードの表面を拭くというよりも、両面から優しく押し当てて、水分を吸わせます。
マイクロSDカードは、その平らな表面に全体的に作用する垂直な力に対しては強く、数トンの力に耐えられるようです。
ところが、マイクロSDカードは、曲げや捩りに対しては、それ程強くありません。
カード表面にひびが入ったりした場合、データ復旧(回復)が不能になる恐れが高いです。
従って、取り扱いには十分注意しましよう。
乾燥させるには?
マイクロSDカードを、その後も引き続き使用することを考えている場合、それが挿入される相手側の電子機器のためにも、必要十分に乾燥させましよう。
例えば、ヘアドライヤを「冷風モード」にしてその風をマイクロSDカードに当てて、水分を取り除きましよう。
時間的な余裕がある場合は、自然乾燥(放置)させるか、又は、ジッパー付きの袋に除湿剤(湿気取り)と共にマイクロSDカードを入れて乾燥させましよう。
まとめ
マイクロSDカードは、売り上げが伸びているヒット商品であるせいか、製造メーカーも力を入れており、性能(容量、耐久性等)は格段にアップしています。
(IPX7)マイクロSDカードの防水性は、家庭内での洗濯程度では全く支障がないレベルにあると言えそうです。
マイクロSDカードを洗濯してしまったような場合でも、慌てずに十分に乾燥させることによって、従来と変わらずに使用(データの書込みと読み出し)することが可能です。
たとえ、マイクロSDカードを対応電子機器に挿入したときに、「読み取りエラー」と表示されても、そのマイクロSDカード内には、物理的な損傷等が無い限り、データが消失せずに記憶されている筈です。
従って、ある程度時間が経過した後で、再度挿入して様子をみてください。
どうしても内部のデータが必要である場合には、専門のデータ復旧業者に依頼されてもよいかもしれません。
予めそれを想定して、データ復旧サービス付きのマイクロSDカードを購入されてもよいかもしれません。
以上「マイクロSDカードを洗濯してしまったときの対応」についてでした。