Androidスマホやデジカメの記録媒体として、メモリカード(マイクロSDカード等)が非常に重宝されています。
このメモリカードをフリマアプリ(メルカリ等)やネットオクション(ヤフオク等)を介して売却する場合、カード内に記憶された個人情報や写真等のデータを消去したり、カードを初期化・フォーマットします。
しかし、これらの処理は、個人情報等のデータの流出の観点から万全なのでしょうか?
本稿では、この点についての情報を読者の皆様と共有したいと思います。
1.メモリカードの耐久性
ちょっと古いですが、ハワイでダイビング中になくなったカメラが、約6年後に、8000km以上離れた台湾に漂着し、メモリカードが作動した、という事件が話題になりました。
メモリカードの耐久性が非常に優れていることが分かるエピソードです。
その一方で、そんなに耐久性があると、カード内に記憶されたデータは簡単に消去できないのではないか、ひいては、メモリカードの安全な売却ができないのではないかという不安が胸をよぎります。
2.誤解されていること(1):
スマホやデジカメで、メモリカード内のデータに対して消去を行うことによって情報流出を阻止できるという誤解!
スマホやデジカメにおけるデータの消去は、ファイルの管理情報を変更するだけであって、データを消し去るものではありません。
スマホやデジカメで、データを消去する/消去した場合、操作画面には、すべてのデータが消去されます/消去されました、が表示されます。
しかしながら、実際は、メモリカード内のデータ領域には、依然としてデータが存在します。
従って、そのメモリカードをパソコンにセットして、専用の復元ソフトを使うことによって、データ領域からデータが吸い上げられる危険性(情報流出)があります。
3.誤解されていること(2):
スマホやデジカメで、メモリカードをフォーマット(初期化)することによって情報流出を阻止できるという誤解!
一般に、スマホやデジカメにおけるカードのフォーマットは、ファイルの属性を管理する管理領域を初期化するだけであって、データ領域のデータを初期化するものではありません。
スマホやデジカメで、カードをフォーマットする/フォーマットした場合、操作画面には、すべてのデータが消去されます/消去されました、が表示されます。
しかしながら、実際は、メモリカード内のデータ領域には、依然としてデータが存在します。
従って、消去の場合と同様に、そのメモリカードのデータ領域からデータが吸い上げられる危険性(情報流出)があります。
4.パソコンでの処理1:
パソコンの「削除」機能、「クイックフォーマット」機能を用いて、パソコンにセットしたメモリカード内のデータに対して処理を行うことができます。
これらの処理は、メモリカード内の管理情報や管理領域の初期化であって、処理後においても、データ領域には、依然としてデータが存在します。
従って、そのメモリカードからデータが吸い上げられる危険性(情報流出)があります。
5.パソコンでの処理2:
パソコン(Windows7以降)の「フォーマット」機能を用いて、パソコンにセットしたメモリカード内のデータに対して処理を行うことができます。
この処理によるフォーマットでは、データ領域のデータがゼロ情報で上書きされるようです。
即ち、メモリカード内に記録されているデータは、有効に削除されるようです。
6.パソコンでの処理3:フリーソフトを用いたフォーマット
SD規格を定めるSDアソシエーション(SDA)は、SDカードのフォーマットを行うためのパソコン用のソフト(SDメモリカードフォーマッター)をダウンロード提供しています。
このソフトによれば、SDカード内の管理領域を初期化でき、更には、データ領域を完全に上書きすることによって、全データを消去(復元困難)できるようです。
7.デジタル一眼レフ、ミラーレスカメラ等でのフォーマット
一部のデジタル一眼レフ、ミラーレスカメラには、「物理フォーマット」という機能があります。
SDカードを初期化する場合に、操作画面には、カード初期化に加えて「物理フォーマット」が表示され、自由に選択できるようになっています。
「初期化」では、SDカード内のファイル管理領域を変更するだけであって、データは消去されないようです。
「物理フォーマット」では、SDカード内のすべての記憶領域にわたって初期化を行い、データは、有効に削除されるようです。
8.まとめ
メモリカード(microSD、SD、SDHC、SDXCカード等)には、重要な個人情報や画像等のデータが記録されていることがあり得ます。
これを第三者に売却するのですから、後で悔いが残らないように、売却前のデータの完全削除は、とにかく万全を期す必要があります。
以上、「SDカード等をフリマアプリやネットオクションで安全に売却するには・・・個人情報の流出を止める!(その1)」についてでした。