USBメモリは、安価で小型軽量なため、可搬性に優れた携帯ストレージとして人気があります。
このUSBメモリをフリマアプリ(メルカリ等)やネットオクション(ヤフオク等)を介して売却する場合、USBメモリ内に記憶された全データを消去したり、USBメモリを初期化・フォーマットします。
しかし、これらの処理は、個人情報等のデータの流出の観点から万全なのでしょうか?
本稿では、この点についての情報を読者の皆様と共有したいと思います。

1.USBメモリの値段設定

飛躍的な技術進歩により、昨今、大容量のUSBメモリが格段に安い値段で購入できるようになりました。

低容量のUSBメモリは、商品のおまけで付いてくることさえあります。

このような背景の下、USBメモリの売却にあたって内部データを確実に抹消する必要があり、その抹消費用は出来るだけ抑えるか又はタダにしたいところです。

そういった点で、USBメモリを第三者に売却するとき、値段設定(販売価格)が一番の問題になりそうです。

2.USBメモリとSDカードとの関係

USBメモリとSDカードとは、形状や大きさが全く異なります。

USBメモリは、基本的に、金属製のコネクタ、コントローラチップ、メモリチップをこの順序で矩形の基板に一列に実装し、プラスチックケース内に収納する構造を採用しています。

他方、SDカードは、メモリ、ドライバ、コントローラ等を一体化・チップ化させて、全体を樹脂封止した構造を採用しています。

しかも、USBメモリは、パソコン用の携帯ストレージとして、SDカードは、スマホ・デジカメ用のストレージとして、概ね棲み分けがなされています。

従って、一見すると、両者は、全く別物と思われがちです。

ところが、メモリ構造、即ち、半導体メモリであるフラッシュメモリを備えて、その中にデータを保持するメモリセルが多数(億を遥かに超える数)存在するというメモリ構造は、両者共にほぼ同じです。

従って、SDカードにおけるデータ消去やフォーマットに関する議論は、USBメモリについてもそのまま当て嵌まることになります。

3.パソコンでの削除・クイックフォーマット

パソコンの「削除」機能、「クイックフォーマット」機能を用いて、パソコンにセットしたUSBメモリ内のデータに対して処理を行うことができます。

これらの処理は、USBメモリ内の管理情報や管理領域の初期化にすぎません。

従って、処理後においても、依然としてデータ領域にデータが存在します。

このため、USBメモリからデータが吸い上げられる危険性(情報流出)があります。

4.パソコンでの(フル)フォーマット

パソコン(Windows Vista以降)の「フォーマット」機能を用いて、パソコンにセットしたUSBメモリ内のデータに対して処理を行うことができます。

具体的には、USBメモリをパソコンに接続します。

Windows 7では、「スタート」→「コンピュータ」→「USBメモリ」→「フォーマット」→「開始」、

Windows 10では、「エクスプローラ」→「PC」→「USBドライブ」→「フォーマット」→「開始」の流れになります。

クイックフォーマットにチェックマークが入っていたら、外します。

この(フル)フォーマット処理によれば、USBメモリ内のデータ領域のデータがゼロ情報で上書きされ、全データが有効に抹消されるようです。

5.データ抹消の確認

パソコン用のソフトが自由にダウンロードできるサイトの「窓の杜」や「Vector」等からフリーの、或いは、有料であっても試用できる、「データ復元ソフト」を入手しましよう。

「窓の杜」は、厳選されたソフトを紹介しており、有り難いのですが、逆に自分に合ったソフトが中々見つけられないことがあり、他方、「Vector」は、非常に多くのソフトを紹介しており、有り難いのですが、逆に多過ぎて選ぶのが大へんなことがあります。

入手した復元ソフトを使用して、USBメモリのデータが抹消されたことを確認しましょう。

念には念を入れ、データの完全削除を確認して、心から安心した上で、USBメモリを売却しましょう。

USBメモリのデータ抹消に一抹の不安がある場合は、同じようにネット上のサイトから今度はデータ抹消ソフトを入手して、USBメモリに対して再フォーマット処理等を行いましよう。

6.まとめ

USBメモリは、携帯性に優れたパソコン用のストレージとして非常に重宝しています。

おそらく、USBメモリを使用している人は、パソコン机の引き出し等に少なくとも10~20個ぐらいのUSBメモリを所有していそうです。

このUSBメモリの所有個数は、価格が手頃でもあるせいか、増える一方ではないかと思われます。

従って、増えていくUSBメモリに対して、処分を持て余している方も多くいらっしゃるのではないかと思われます。

本稿が少しでもお役に立てれば有り難いです。

以上、「USBメモリをフリマアプリやネットオクションで安全に売却するには・・・個人情報の流出を止める!(その1)」についてでした。