ハッカー集会のDEFCON27において、Lightningケーブルが販売され、このO.MGケーブルと呼ばれるケーブルは、遠隔操作によってiPhoneに侵入できる機能を有するようです。
従って、それが一般に普及した場合には、セキュリティに対する脅威になることが予想されます。
本稿では、この点についての情報を読者の皆様と共有したいと思います。

1.O.MGケーブル

米国のネバダ州ラスベガスでは、毎年、世界最大のハッカー集会であるDEFCON(デフコン)が開催され、会場では、様々なグッズが販売されます。

そのDEFCON27(2019年8月開催)において、USB接続の脆弱性を検証するデバイスとして、Lightningケーブル(O.MGケーブル)が販売されたそうです。

O.MGケーブルの一端のUSBコネクタ(タイプA)の内部には、無線LAN機能を備えた超小型のマイコン基板が巧妙に組み込まれているようです。

このマイコンを外部から無線で遠隔操作することによって、USB接続されたターゲットのiPhoneに侵入して、ファームウエアを書き換えたり、内部データをコピーすることができるようです。

O.MGケーブルは、現在、商業ベースで生産されて一般人も購入できるようであり、その使われ方によっては、一般社会のセキュリティに対する大いなる脅威になりそうです。

2.将来的な危険

街中(店内、車内、船内、機内、マン喫・ネカフェ、ホテル・旅館、等々)には、スマホ用の充電ポートが設置され、更には、USBケーブルを無料で貸し出しする所さえ存在します。

現時点では、これらのUSBケーブルは、セキュリティ上、問題の無いものであると思われます。

しかしながら、上記O.MGケーブルの普及を考えると、将来においても絶対に安全であるとまでは言えなさそうです。

即ち、将来においては、これらのUSBケーブルのうちの幾つかは、O.MGケーブル或いは同種の危険なケーブルとすりかえられる事態が生じるであろうことが、残念ながら予想されます。

3.対応の基本的な考え方

USB充電に伴う危険が何時やってくるかは全く分かりませんが、何時来てもよいように、個人ベースでそれなりの対策を考えておくのが懸命であると思われます。

対策の基本的なことは、怪しい(危険そうな)USBケーブルを介したデータ通信を止めることです。

より具体的には、(1)自分のUSB充電専用ケーブル、及び/又は、(2)自分のUSBケーブル+通信ブロックデバイス、を携帯する。

スマホの充電が必要な時には、これらのマイケーブル等を使用し、それ以外のUSBケーブルは、使用しない。

というようなメルクマールを決めて、USB充電に対処すればよいと思われます。

その一方、マイケーブル等を携帯し忘れることも絶対無いとは言えません。

そこで、怪しい(危険そうな)ケーブルを使用せざるを得ないという究極の場面を想定して、その場合の対応(案)について考えてみたいと思います。

4.対応案1:充電専用ケーブル化

可能ないし許容されるのであれば、怪しいUSBケーブルの被覆を部分的に剥がして、充電用の2本の電線(黒と赤)を残して、残りの電線(おそらく通信用の緑と白)を切断する。

即ち、USBケーブルをUSB充電専用ケーブルに改造する。

この改造によれば、外部からのスマホ(iPhone)への侵入を阻止できそうです。

5.対応案2:アルミホイル

台所用のアルミホイルを購入するか、アルミホイルを1m程度もらう。

アルミホイルで、怪しいUSBケーブルの問題のUSBコネクタ部分を全体的に4重巻き以上に、出来るだけ隙間ができないように巻く。

加えて、スマホ自体もアルミホイルで4重巻き以上に、出来るだけ隙間ができないように巻く。

こうすることで、電波をほぼ遮断でき、外部からの遠隔操作を邪魔できそうです。

また、スマホ自体も電気を消費しにくくなるので、充電時間の短縮にもなりそうです。

6.まとめ

O.MGケーブルの詳細が不明である現時点では、この程度の対応が精一杯かもしれません。

読者の皆様が、恐らく将来起こるであろう、怪しいUSBケーブルによる被害に遭わないことを願っております。

以上、「ホワイトハッカーが作ったO.MGケーブル<スマホを街中で安全にUSB充電する方法>」についてでした。